Bow
坂本 諒介
作者によるコメント
木材の特性のひとつ「しなり」について考えたスツール。最低限の構造と細さ5mmの木材によってバネのあるクッション性をつけた。柔らかい存在感のスツール。
担当教員によるコメント
家具の中でも「椅子」は最も身体感覚に近いところでデザインされる。その中でもスツールは「簡易椅子」といったところだろう。背もたれが無く、スタッキングできたり、空間の中でも主張せず、短時間の利用で、安価であったり…簡易で機能的で庶民的。しかし坂本のデザインは一般的なスツールとは対極のものであろう。それは木が持っている特性についての探求から派生していった、細くて折れそうなギリギリの“しなり”を構造としているからだ。製作段階の難易度が高く、簡易とは程遠いことで、スツールの庶民性を良くも悪くも裏切っている。商品価値を求めるまでもなく、そこには純粋なデザインへの枯渇感を感じた。これが完成ではないだろう、今後もその片鱗に期待したい。
准教授・米谷 ひろし
- 作品名Bow
- 作家名坂本 諒介
- 作品情報技法・素材:ブナ無垢材
寸法:H425×W385×D300mm - 学科・専攻・コース
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