不穏
大島 厚
担当教員によるコメント
一見何処にでもある郊外風景で、まだ家の周囲には田畑の残る光景でありながら画題は「不穏」とある。この画題によって作者の心象風景であるとみてとれる秀作である。よくある田園の中に建つ家と防風林の役目もある樹木の家囲い。作者の思い入れたっぷりの描写によって、この家に住む人たちの状況が窺えそうである。濃いブルーの空がこの絵の重苦しい雰囲気をさらに増幅している。さらに言えば、左右の隅に小さく描かれていている家が、いかにもプレハブ住宅のようであるのが軽薄なクラシック絵画に陥る難しさから逃れているようだ。
教授・大津 英敏
- 作品名不穏
- 作家名大島 厚
- 作品情報技法・素材:キャンバス、油彩
寸法:H1303×W1620mm - カテゴリー