無題

山岡 郁

担当教員によるコメント

山岡さんは3年次より水墨画に挑戦し始めた。4〜5枚描くうちに墨を使いこなし、墨色が柔らかく澄んで濃淡に幅ができ美しくなってきた。水墨は修正が効かない。自ずと精神性が要求される。今回の「無題」の大作は見事に成果を上げた。画面の中心に象徴的な人物を配し、すっくと立つ姿は作者の強い意志を感じさせる。単調になりがちなフォルムに変化をつけるためにスカートの裾を両手で持ち上げ背景との調和を持たせた。眩しいばかりの太陽の光と下方に走る光線が緊張を生み、バランスの良い動く雲、下方の波のようにみえる雲の形も人物と呼応し合って絶妙である。

教授・松下 宣廉

  • 作品名
    無題
  • 作家名
    山岡 郁
  • 作品情報
    技法・素材:高知麻紙、墨、胡粉
    寸法:H1818×W2273mm