卒業制作優秀作品集2014
グラフィックデザイン学科
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- 副島 智也
ニッポングラフィティ
技法・素材:イラストレーション、ポスター/防災シート、アクリルスプレー、Illustrator、Photoshop、デジタル出力 他
寸法:イラストレーション/H3400×W1800mm(8点)、
ポスター/H1030×W728mm(8点)、
本/H420×W297mm
「日本」に対するメッセージをテーマに、8点のグラフィティイラストレーションとポスターを制作しました。イラストレーションで用いているグラフィティの表現は非常に魅力的ですが、ストリートに溢れるグラフィティ作品の多くは法的な問題のため正当な評価が得られない現状にあります。この作品の制作目的のひとつには、そんなグラフィティのリーガルな定着方法を探り、イラストレーションとしてマスメディアへの展開を可能にすることを目指しました。そのために、イラストレーションの原画は巨大な防災シートを支持体にステンシルで描き、グラフィティのもつスケール感やノイズを定着させました。ポスターのデザインでは、イラストレーションをコラージュする風景写真の加工やメッセージの手触りに、グラフィティのもつヴァンダルな雰囲気を定着させました。
担当教員によるコメント
副島智也は、日本の社会問題をテーマとしてポスターと作品集を制作した。表現手法はグラフィティの手法を使って、独自の表現方法を模索した。エアブラシのような細部表現まで行き渡るものではなく、どこにでも市販されているスプレーでグラフィティ(らくがき)表現を自分のものにした。その表現の魅力は、美術館など限られた場所ではなく、街角のビルの一面を支配する野外シートをキャンバスとし、粗雑なマチエールで描いた。テーマは、日本人の持っている「見ザル、言わザル、聞かザル」と言った風刺的な内容のメッセージを発信した。なかなか社会的なものにメッセージを送らない若者気風からはずれた魅力を持っている。
教授・秋山 孝