the seasons

栗原 彩乃

作者によるコメント

七十二候という季節の候から選んだものをテーマに、少女画を描きました。七十二候とは、季節それぞれのできごとを、そのまま名前にしているもので、その中から6つの候を選びタイトルとしました。

担当教員によるコメント

栗原彩乃は、七十二候(しちじゅうにこう)をテーマとし、少女画を描いた。そのイラストレーションをポスターと本のメディアで発表した。七十二候とは、古代中国のもので気象や動植物の季節を表す方式のひとつである。日本の気候風土に合うようにアレンジし、さらに少女の感性をベースにした表現を試みた。それは、繊細で感じやすい乙女の感性の美を描くことである。あくまでも細部にこだわり、デフォルメを加えながら、消えそうなはかなさと切なさを各部所に配置し、女の子の大きな瞳と赤い唇を加え描ききった。装飾性を重要視し、色彩も統一感をはかることで、一瞬の少女のうつろう気持ちを発見した。

教授・秋山 孝