群馬食事記

安田 茉莉絵

作者によるコメント

郷土料理はその土地で暮らしてきた人々の生活から生まれてきた物です。農業や商業、観光業から長い時間をかけて人が手がけて生まれてきた食事の背景を紹介することで、群馬県を知ることが出来るのではないかということを考えました。紹介する記事と共に、実際に17の料理を展示することで匂いや質感を見て感じ貰い、食事という面から群馬県に興味を持ってもらいたいと思いました。

担当教員によるコメント

群馬の魅力的な食文化を伝える力作である。自分の生まれ育った場所を「郷土」と云い、そこに生きる人びとのいのちを支える「食」が「郷土食」である。この視点から群馬の「郷土食」を入念な取材をもとに記事としてまとめ、素朴なタッチのスケッチと組み合わせることで、食文化の魅力を鮮やかに表現している。同時展示の作者の手づくりを含む17品の料理によって、鑑賞者も故郷の味わいと豊かな香りに接することができる。群馬の魅力をより多くの人に伝えたいという強い思いが結実しており、地域の伝統と文化がよくわかる仕上がりは秀逸。豊かな土地に育まれた作者の人柄がにじみ出た味わい深い作品である。

准教授・矢野 英樹