Strawberry Road

漆崎 正樹

担当教員によるコメント

得体の知れない巨大な塊が観る者に向かって迫り来る、極めて印象的な構図。目にした瞬間、誰もが身構えてしまいそうな力強い作品に対し、作者は「Strawberry Road」という画題を付けている。発想の在処を尋ねると、滑り止めとして刻まれた坂道の路面模様が、苺表面のプツプツした質感に重なって思えたところから来ているという。予想外の回答に窮しつつ、極めて日常的なイメージから描き始め、ここに至った作者の力量を称えたい。たっぷりとしたフォルムを感じさせる筆遣いなど、表現として魅力的な要素も多い。今後更に作品が深化することを期待したい。

教授・武田 州左