one scene

竹澤 佑里

担当教員によるコメント

マスキングテープ、それはペイントがはみ出さないように境界を作るものであり、また仮止めや一時的にマーキングする時などに使用し、完成時には取り除かれるのが普通の使われ方である。しかし竹澤は積極的にマスキングテープを残す。いや残すのではなく、テープの本来の性質や意味を負荷したまま確信犯的に使用しているのだ。また、一見レディメイドのように見えるモチーフも、あえて性格の違う素材でリメイクし作品中に組み込む。さらにはその作品の状態を撮影した写真プリントさえ、もう一度同じ作品の一部として…。気が付くといつの間にか鑑賞者もその円環に取り込まれているのだ。抑制が利いたきわめて純度の高いインスタレーションとなった。

教授・小泉 俊己

  • 作品名
    one scene
  • 作家名
    竹澤 佑里
  • 作品情報
    技法・素材:ミクストメディア、写真
    寸法:H180×W150×D100cm、H120×W80cm
  • 学科・専攻・コース