豚ひき

友岡 亜也子

担当教員によるコメント

自分の顔を被写体に作品を制作し続けてきた友岡さん。顔を食肉など食べ物で覆い、撮影し、その写真を作品としてきた。普段目にしている身体の外側と目にしない身体の内側、これが友岡さんの作品では逆になったような、その圧倒的な図像に「ギョッ!」としつつも思わず見入ってしまう。顔の皮膚は身体の中でも特に敏感であるというから、この撮影にともなう刺激は相当なものだと思うが、作品からはどこかユーモアをも感じてしまうところがあり、グロテスクな部分を多く含みながらも、見る者を拒絶するのではなく、むしろ引きこんでしまうこのおおらかさと、友岡さん自身の強い身体的なリアリティが合体したところに、この作品の一層独創的な魅力を強く感じている。

教授・日高 理恵子