Connect necklace, 時代の切れ端から創られる装飾品

鈴木 かんな

作者によるコメント

世の中の発展を支えてきた製品の裏には、様々な廃品も生まれています。そういった、もともとは別の用途として作られた製品の個性的な特徴を活かし、装飾品としてスポットライトを当てていきます。時代によって使われる素材が必然的に変わる事で、その時代らしさが外観に表れます。産業廃棄物を使った背景ではなく、あくまで装飾品としての表現を追求した提案を行います。

担当教員によるコメント

装飾品も産業廃棄物も時代を反映するトレンドと位置づけ、両者を結びつけた鈴木かんなの視点に当研究の独自性がある。彼女が当代を反映する装飾品の素材として選んだ産業廃棄物は、LANケーブルのバリ。それはLANケーブルの生産過程で生まれる副産物だ。そのため、LANケーブルのバリを用いることは、結果的に産業廃棄物の有効活用ではなく産業廃棄物を出さないアプローチとなる。また、Connect necklaceの生産過程で新たな産業廃棄物を出さないために氷を型に用いる成型方法も発明しており、当研究には説得力がある。当研究のように、資源を100%使い切り、産業廃棄物を出さないために知恵を絞ることこそ、産業廃棄物の問題を根本的に解決する糸口となるだろう。

教授・安次富 隆