Roll up stool, 〜巻き取れるスツールの提案〜

作者によるコメント

「Roll up」は巻き取るだけで折りたため、広げるだけでスツールへと変形させる事が出来るプロダクトです。円弧状のPETを組み合わせる事でできる「アーチ構造」を利用して制作しました。この構造を用いる事で、単一素材での成形が可能となり、｢折りたたみ感」を感じさせない新たなスタイルの折りたたみスツールを作ることが出来ます。独自に生み出した「アーチ構造」とその機構を応用したスツールの提案です。

担当教員によるコメント

本作品の根幹は徹底的にPET樹脂と対峙し、組成を理解した上での飽くなき機構研究である。製品イメージのスツール形状に至るまでに、樹脂性製品が他の素材に勝る特性を意識した構造実験を多く行い、そこからの考察がアーチ構造を利用した巻取りによる収納機構を導き出したのである。その探究心はデザインリサーチとしては他を圧倒する高い説得力と製品実現性を感じさせる。本作品はROLL UPと名をうった巻取り可能なスツールでの提案であるが、この機構応用により多くの同素材製品に展開可能であり、機能性と美しさは着色等によっても広がると予測する。樹脂という様々な用途向けに開発され、使用範囲としても拡大し続ける樹脂デザインの研究手法として最良の指標となる事を確信する。

教授・中田 希佳