霧生 まどか
無い物ねだり
技法・素材:リトグラフ 寸法:H100×W75 cm
担当教員によるコメント
緻密に計画された技術が伴い、イメージを具現化していく版画制作は、各々のテクスチャーに於いて、先ずはどのように版に写し取られるのかを知ることが必要となります。彼女は4年間、それを地道に研究し、制作の中で構築し続け、コツコツと成果に繋げて行きました。この作品の完成に初めて対面したのは、大学ではなくある展覧会の審査会場でした。さながら漆黒の闇に浮かび上がるブーケのよう。それは清らかでもあり、怪しげで大人びた羨望でもあり。画面の白がハレーションを起こしてはいるものの、その存在感は見事なものでした。この作品を見た瞬間、今まで彼女の中で不完全だった問題が払拭されたなと感じたのを覚えています。霧生の描版に対する姿勢と、分版への執念を是非感じて頂きたい。
准教授・佐竹 邦子
担当教員によるコメント
緻密に計画された技術が伴い、イメージを具現化していく版画制作は、各々のテクスチャーに於いて、先ずはどのように版に写し取られるのかを知ることが必要となります。彼女は4年間、それを地道に研究し、制作の中で構築し続け、コツコツと成果に繋げて行きました。この作品の完成に初めて対面したのは、大学ではなくある展覧会の審査会場でした。さながら漆黒の闇に浮かび上がるブーケのよう。それは清らかでもあり、怪しげで大人びた羨望でもあり。画面の白がハレーションを起こしてはいるものの、その存在感は見事なものでした。この作品を見た瞬間、今まで彼女の中で不完全だった問題が払拭されたなと感じたのを覚えています。霧生の描版に対する姿勢と、分版への執念を是非感じて頂きたい。
准教授・佐竹 邦子