Naani Colle!

金時 綾子

担当教員によるコメント

金時綾子さんはシミが様々にイメージを喚起することに興味を持った。これは誰もが抱く、幼少の頃に感じた視覚作用だ。その体験を元に、親子がそれぞれのイメージを介して会話出来るカーテンのデザインを目指した。これは簡単なようで、とても難しいテーマ。なぜなら、機能が何であるか明確に伝えるのがデザイン。カーテンにシミのような曖昧な形を恣意的に創出し、各々のイメージで会話しろと言われても、用という観点では如何なものか。何回ものプレゼンを経て、彼女は不安を払拭する努力はしたが、幾つも困難な場面があったと記憶する。その度に、彼女は遊びを機能として取り入れた。学生の夢見がちなデザインといえばそれまでだが、製品化出来るのではと思わせる程、見事に完成させた。

教授・髙橋 正