割れる

金田 真由香

担当教員によるコメント

金田はガラスの中に起こる些細なできごとや疵のようなものに着目してきた。この作品は吹きガラスで出来たかたちと割れた断面をそのまま提示したものだ。吹いたガラスと割れた断面はその素材感そのものであり、金田はその緊張感と美しさを際立たせるために細心の注意を払っている。吹いたガラスに傷をつけ、そこを高温のバーナーで熱することによって割る技術は工場でも使われているが、その鋭利な断面は研磨されて通常人の目に触れることがない。どこに走るか分からない割れをある程度制御することによって、一見透明なガラスの内部にある不均質さや見えないゆがみが線やかたちとして浮かび上がってくる。金田はそれを見つめ、拾い上げている。

教授・高橋 禎彦

  • 作品名
    割れる
  • 作家名
    金田 真由香
  • 作品情報
    技法・素材:ガラス
    寸法:左からH219×W418×D418mm、H265×W267×D290mm、H152×W300×D300mm、H261×W360×D298mm
  • 学科・専攻・コース