shift chair

渡辺 匡彦

作者によるコメント

チーフテンチェアのリデザインである。生活の中に組み込まれた自転車「ピスト」と、椅子の「チーフテンチェア」をかけ合わせた「shift chair」。

担当教員によるコメント

自転車を木で作り出す意味。椅子としてイメージする。木の椅子の肌触りの魅力から移動できる木の椅子へ。自転車は止まると自立できない、乗り手との一体感が自転車を支える。この乗り手と自転車との支え合う意識に渡辺はたまらない魅力を感じ自立しない椅子を発見する。発見は出来たが椅子は自転車の様にマシーンとしての機能と強度が必要である。椅子と相容れない様々なかたちと組み合わせ、それでも強引に椅子として捉えるエネルギーは自転車に惚れ込み、自室の壁に絵のように自転車を飾り眺める一途な思いが自転車に魔法の杖で木に化けさせた。どこまで木に置き換えられたかはそれほど問題ではなく価値の転換は新鮮な家具を生み出した。人と支え合って生まれた椅子の誕生である。彼はこの椅子で世界を巡る。

非常勤講師・高取 邦和