椨ノ湯温泉郷屏風絵巻

村田 文佳

担当教員によるコメント

この6曲屏風の構想を聞いた時は、どこからこの様な発想が出てくるのか不思議に思った。村田さんの興味をひきつけてやまない川鍋暁斎という作家の影響があるらしい。暁斎も村田さんも、王政復古になろうが戦争が起ころうが、一般民衆の日常こそ素晴らしいという信念を持っている。その日常の場面を今回湯屋に設定し「椨ノ湯温泉郷屏風絵巻」が完成した次第である。銭湯は平和の象徴と考え、艶かしい女性の他に動物、妖怪、坊主、宇宙人など皆一緒に裸の付き合いよろしく混浴させている。かわいい要素と得体の知れない不気味さの大衆モデルを大衆浴場舞台に大衆的な絵画を描ききった村田さんの作品に、思わず見入ってしまった。

教授・宮 いつき

  • 作品名
    椨ノ湯温泉郷屏風絵巻
  • 作家名
    村田 文佳
  • 作品情報
    技法・素材:岩絵具、水干、金箔、典具帖紙
    寸法: H170×W510cm