凝らす
成嶋 俊理
作者によるコメント
暗闇の中から光を捉える写真の表現で陰影を捉える鉛筆デッサンとは逆、「光のデッサン」を人体をモチーフに描くうちに次第に人体の作る形態が自然の情景と重なり、人と一見して分からないような構図で自然を思わせる人体の造形美を表現しました。目を凝らして、疑って、何度も見返したり、人体でも自然の情景でもない「別の何か」が見出せられたら幸いです。
担当教員によるコメント
成嶋俊理は、「凝らす」をタイトルに、人体をモチーフに光のデッサンを行なった。人体の部分を凝視することによって、もうひとつの自然を見つけ出そうとした。モノクロームの世界だからこそ、神秘的なフォルムを発見した。一見すると風からつくられる砂漠の美の寂寥とした空間のように見えるが、それとは異なる。人体の皮膚の産毛までが山の稜線をつくり、我々に超現実感を見せつけている。さらに肉体の内部にある骨格の形までも、力強い岩盤のように見えたりもする。この世界観を成嶋俊理は今後も追求し、誰もがなし得なかった写真世界を作り上げてほしい。
教授・秋山 孝
- 作品名凝らす
- 作家名成嶋 俊理
- 作品情報技法・素材:写真/デジタル一眼レフカメラ、紙、Photahop、Illustrator、デジタル出力
寸法:写真/H728×W1030mm(8点)、H1030×W728mm(2点)、作品集/H420×W297×D10mm(1点) - 学科・専攻・コース
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