毛まみれヘブン

山田 みのり

作者によるコメント

「すきだけどきらい、きらいだけどすき」。すきな人に対するこの矛盾した気持ちを、女のコが常日頃から抱えるわき毛の処理という行為や自分自身の実際の経験と絡め、こころが踊るような手書きアニメーションとして表現しました。ハッピーな映像と音楽を通して、ラブでセンチメンタルなカタルシスを感じていただけたら幸いです。

担当教員によるコメント

ちょいエロトーンで女の子の心情を表現し続けて来た作者の真骨頂。ストレスを感じるとわき毛が伸びてしまう主人公。そのストレスが頂点に達した時、わき毛は巨大なモンスターとなって…という奇抜な着眼点とストーリー。まず、女の子がわき毛を剃るというシーンにドキッとさせられる。しかしそれはポップなキャラクターとグラフィックで描かれたことによって「いやらしさ」や「生めかしさ」はなく、ある種コミカルな女の子の心情表現になっている。前半では静的な日常描写の蓄積によって彼氏に対する不満を最大まで増幅させ、後半でそのストレスを歌とともにいっきに爆発させる。そのメリハリがとても素晴らしい。女の子の素直な気持ちを奇想天外の大スペクタクルで描ききった快作である!

准教授・野村 辰寿