たとえばそれは、ごく単純にある春の朝、 貧相な街の通りの光景を不思議に一変させる 太陽の燦然たる輝きにほかならないこともある

小林 みなみ

担当教員によるコメント

作者は一年間の時間をかけて自分のための家を建てた。それは21世紀の消費社会において無自覚となりがちな、自らの命と物質や自然の均衡について手探りで思考するための建築である。このプロジェクトを通して、生きることや生活することを享受する感覚が育まれ、初めて本質的な消費の有り様が理解できると作者は知る。それは3.11以降から問い直されているコミュニティー、家族、住居、生活についての考察である。このプロジェクトでは廃材を集め建材にして造られた家屋。調光のための窓など生存のために必要最低限なエクステリア。太陽光発電などの自律インフラの組み合わせによって現実化された。そしてプロジェクト終了後に廃棄するのでなく、それらの材料をリユースして社会に還元させて終了となった。

准教授・佐々木 成明

  • 作品名
    たとえばそれは、ごく単純にある春の朝、 貧相な街の通りの光景を不思議に一変させる 太陽の燦然たる輝きにほかならないこともある
  • 作家名
    小林 みなみ
  • 作品情報
    作品形態など:インスタレーション/廃材、電球、オフグリッドソーラーシステム、放射線検出モジュール インスタレーション
    寸法:H3025×W2840×D2840mm
  • 学科・専攻・コース