蚊帳をうめる

小林 椋

担当教員によるコメント

展示スペースには、何やら見慣れぬオブジェが点在している。見慣れぬというのは、うまく名前がつけられない、ということだ。ふと、その中のひとつのオブジェから音が鳴る。どこかが少し動いたようだ。耳を澄ましていると、ぽつぽつとオブジェが動く。どうやらこの音は、その動きから生まれてくるようだ。これは何だか、近藤譲の「線の音楽」みたいだぞ。いや、インスタレーションを好きな時に始め、好きな時に終わることのできるオープンな作曲/パフォーマンスだと考えれば、むしろこちらの方が「線の音楽」らしい。オブジェの中には、廃棄してあった専門機器を分解再構築したものもあるという。ぜひ解剖図も描いて欲しい。

教授・久保田 晃弘