暮れに轟く(左)/, 明けに轟く(右)

安田 萌音

担当教員によるコメント

縦5メートルにも及ぶ二対の作品は聳え立つ程に高く、先ずその大きさに圧倒される。更にそこに描かれたものは、雷鳴轟く大地の叫び。地表が割れマグマが走る、天と地が鬩ぎ合う一瞬。観る者は安田の絵画世界に、全身で向き合うことになる。何より、持ち前の造形力に裏打ちされた画面構成と、麻布を巧みに使い重厚で荒々しい絵肌が、この作品の最大の魅力になっている。孤高の洋画家、宮崎進の骨太な作品群に触れたことが、今回の制作の動機付けだったと聞く。時流に流されることなく、今後も独自の道を切り拓いて行って欲しい。溢れる想いに従い最後まで描き切った安田は、ダイナミックな絵作りの本質を学んだに違いない。

教授・武田 州左

  • 作品名
    暮れに轟く(左)/, 明けに轟く(右)
  • 作家名
    安田 萌音
  • 作品情報
    技法・素材:帆布、麻布、綿布、紐、胡粉、土、岩絵具
    寸法:各H4700×W1430mm(2点)
  • 学科・専攻・コース