卒業制作優秀作品集2015
絵画学科日本画専攻

佐藤 健太郎

流転ノ行方

技法・素材:金地絹本、箔、岩絵具、水干絵具、樹脂
寸法:H1720×W6940mm

担当教員によるコメント

金箔地の屏風に、渓流の図像が克明に描かれている。特異な表現様式であるが今日の所謂絵画の形式に捕らわれない、全く別の視点からこの作品を捉えるべきなのではないかとさえ感じさせる問題作であると思う。それまで一貫して取り組んできた「水」をテーマにした作品であり、今回は鴻巣渓谷の写生がもとになっているそうだが、作者は「観測的風景画に終始しない、自身の自然に対する考え方、水の在り方そのものを伝えられないか」と、語っている。さらに俵屋宗達の絵画空間を意識しているようで、「金地を空間として捉え、『間』に還元していく表現に挑戦しました」と語るように、 作者の意欲は溢れている。可能性に満ちた作品と言えるのだ。

教授・岡村 桂三郎

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