フカの膚

鈴木 舞

担当教員によるコメント

1×20mのロール印画紙に連続プリントされた作品が螺旋状に置かれ、ガラスにエマルジョンを塗布して焼付け、ブルー調色した半切サイズ9点の写真がそれを補完するように配置された構成の写真展示作品。生物が太古から持ち続けてきたという体内記憶の連鎖のイメージを、膨大な時間をかけた露光によるロールプリントという方法や銀塩現像処理の過程によって、作りだしている。この写真行為に関わった緊密な時間とその姿勢が、作品の厚みや強度に結実して、時空を超えた遠い記憶が創りだす物語を実現させた。

教授・石井 茂