此処ではないどこか、違う時間に、それではないなにかをもらう

外口 理恵

担当教員によるコメント

難解である。外口理恵の作品は、スピーカー、電球などの電気機器、ガラス、写真、映像など、多様な素材を用いてカッコよく、インスタレーションには必ずテキストが付随し、意味も多重構造で口頭で説明してもらってもなんだかよくわからない。しかし、難解でクールな表情の裏には、膨大な時間をかけた手間暇が存在し、その労力をいとわぬ心意気が、作品の思わせぶりな見た目を裏切らない。そして、制作のテーマとなるものが、自らの体験や身近な人物の心象など、あまりにも感傷的ともいえるようなウェットなものであったりするのだ。難解な視覚体験の後には生身の人間の気配が濃厚な、緩やかな風が吹く場所に軟着陸できるのである。

教授・吉澤 美香

  • 作品名
    此処ではないどこか、違う時間に、それではないなにかをもらう
  • 作家名
    外口 理恵
  • 作品情報
    技法・素材:ミクストメディア
寸法:サイズ可変
  • 学科・専攻・コース