WEDGE BEND CHAIR

遠藤 駿

作者によるコメント

木材を切り込みだけで曲げ、その隙間に樹脂を充填することで木材を曲げた状態で固定する、新しい曲木の製法を発見し、その技術を応用してラウンジチェアを制作しました。(特許出願中)

担当教員によるコメント

従来の木製家具や木製椅子を製作する場合、デザイン要素として用いられる曲線や曲面は切削や成形合板等で造り出されるが、本作品は今までにない斬新な発想による木材の新しい製法から生み出された椅子である。角材に切り込みを設け、必要とされる曲線に曲げる。そこに樹脂製の楔(くさび)を充填し、スムースな曲げ、アールや捻れまでもデザイン意図として表現するのである。よって、この製法から創り出されたフレーム曲面は流麗で美しく、合わせて角材のエッジが創り出す曲線美が最大の魅力である。また、彼がこの製法開発に至るまでのリサーチや実験は他を圧倒する質と量、また高い製品実現性を感じさせるものであり、本作品はその結果である。今後の木材加工の新たな製法として大いなる可能性を感じさせる。

教授・中田 希佳