土を人の生活に持ち込む

OH Su Jin

作者によるコメント

昔から「土」は私たちの生活に身近な素材として使われてきました。今も陶器をはじめ、便器や洗面台、建築材料、化粧品のなかや電気製品のなか等、幅広いところで使われています。しかし「土」そのものは、汚れる、汚いという欠点からあまり人に好印象を与える素材ではありません。むしろ家に持ち込みたくない、室外にあるのが当然なものです。そこで、私は土の新たな可能性や魅力を探し、土を人の生活に自然に持ち込める土のプロダクトを提案します。

担当教員によるコメント

採取する場所によって、土の色がそれぞれ異なること。オ・スジンさんの土の作品は、実際に行ったこのフィールドワークを発想の根幹にしている。土の色の違いを魅力的に伝える土のクレヨン、また土を固めることで植栽を植えるプラントとして利用することもできる。土に混ぜて硬化させる素材として、生分解性樹脂など土に還ることのできる素材を用いることで、自然に還す循環をつくることもできる。こうした試みは、その土地でつくることのできるもの、土着性を活かしながらのモノづくりとして、着目すべき視点を備えているだろう。

准教授・濱田 芳治