雨を遊ばせて、私も遊ぶ

金子 絵里奈

作者によるコメント

「雨」によって濡れたり汚れたりする懸念から、ぎゅっと傘の中に縮こませていた足を一歩外へ出してみると、どんな音がして、どんな強さで、どんな冷たさで、どんな風に光るのでしょうか。きっと足もとには、美しいことや楽しいことがこんなにも身近に存在することに気が付くような新しい景色が見えてくるはずです。そんな靴を作りました。

担当教員によるコメント

足で感じる景色。金子さんの提案は、靴を用いて人と自然、環境との関係を見直すきっかけをつくれる提案だろう。雨の日に外で遊ぶ、雨と戯れる。靴に施す防水、撥水加工には、中の足を濡らさないという機能と共に、水に水滴としての形を与えることができるという視覚的な素敵さもつくる。現代の都市での生活で忘れがちな雨の音を、温度を、雨の強さを感じながら生活すること。金子さんの大切にしているこうした自然とのつながりを意識したものづくりは、使い手の感覚をより豊かに解放していくことだろう。

准教授・濱田 芳治