観測義歯

斉藤 隼人

作者によるコメント

唾液には数多くの貴重なデータ源が存在しています。これらのデータをセンサー化した義歯(差し歯や入れ歯、着け歯の総称)によってマイニングし、携帯デバイスでモニタリングすることでより豊かな生活を提供します。それが時間やメールをチェックするように血糖値がモニタリング出来れば、食事やスポーツなども、不安を伴うことなく楽しむことが出来ます。それだけでなく、今まで入手できなかった貴重な継続的データを入手することが出来ます。それにより、今までの測定方法では解明が難しかった病気のメカ二ズムが解明されていくことでしょう。

担当教員によるコメント

これから先の技術開発の方向性を示すこと。それもデザイナーに求められる大事な役割の一つだろう。斉藤隼人くんは、とりわけセンサリングの技術に着目し、その技術応用の可能性を探していた。センサリングの技術を用いることで、人の中に日々生じる微細な変化を数値で示すことができ、身体の状態の客観視、病気の早期発見も可能になる。斉藤くんの提案では、センサリングの装置を歯の中に常時仕込むことで、唾液などから身体のデータを取ることを画策している。センサリングの機器、電源供給ユニット、通信デバイスを小型化してウェアラブル化することで、常に身につけての計測が可能となるとしており、技術を暮らしの中に取り込む方法とその効果を提起している。

准教授・濱田 芳治