カメラと一緒に登山したくなるカメラバック

高橋 太一

作者によるコメント

登山者は背中にリュックを背負う都合上、カメラはタスキのスリング一本でふらふらと不安定なまま移動する手段が多々ありました。そこで安定と保持をコンセプトとし、カメラを常に意識しなくても登山を楽しめるカバンを提案したいと考えました。また重装備なバックやコンパクトデジタルカメラのバックではなく、本格的なカメラを扱う人に向けた軽装で安心して持ち運べる登山用のカメラバックをデザインしました。

担当教員によるコメント

登山者に向けたカメラバックを制作するにあたり、徹底的なユーザー調査と実験から今までにないスタイルを創り上げた事が高く評価された作品である。タイトルとなっている“カメラと一緒に登山したくなる”という言葉どおり“コト”をデザインするにあたり、実際に登山する際の様々なユーザーエクスペリエンスに注目し形作っているのである。重量のある一眼レフカメラを携えた状態で山を登る時の体の傾き、同様に下山時のバランスや揺れ。またカメラ以外の登山装備品(リュック)との関係や実際の登山道ロケーション(狭い、起伏)など、現場での試作検証を繰り返した努力が見事に実を結んでいる。カメラ本体とレンズ種類(長さ、大きさ)に対応したバック形状可変も工夫されており、今後に大きく期待できる発明品である。

教授・中田 希佳