Cage

伊藤 千映

担当教員によるコメント

伊藤千映さんでまず思い出すのは、2年生最後の課題の作品です。それは、人体上半身の骨格を鉄で作り、その所々から粘土で作られ着色された、豆苗のような植物の眼が出ている作品です。鉄製の骨は、技術的未熟さも加わり枯れて乾いた感じが強調され、粘土に着色された植物の芽のようなものが、瑞々しく生命力溢れて私には見えたものです。今回は人間でなく魚の骨です。薄い鉄板を溶接したにも拘らず、しっかりとしたフォルムに作られています。それは伊藤さんの能力に頼るのは言うまでもない事ですが、ガス溶接によって鉄板どうしがしっかりと一体化して作られているからです。薄い形、細い形、尖った形も立体としての形として作られています。

教授・多和 圭三