Rollin’ Rollin’

櫻井 隆平

担当教員によるコメント

「面」は古来より神々の依り代として様々な祭礼や舞踊、または民衆芸能の重要なファクターとして多様に造形されてきた。なかでも天狗や狐、お亀とひょっとこ、そして縁日の夜店で売られるキャラクターのお面などは、私たちの傍らにそっと寄り添い異界との橋渡しをしてくれていた。櫻井の作るレリーフ状の面はそのスケールと色彩から、まず見る者の視覚を刺激する。渦巻き文様が幻視を伴いながら中心の大顔面へと誘うが、視線をはぐらかすかのように舌を出し戯けて見せる。かつて、夜店のアセチレン灯に鮮やかに照らされた、どこまでも軽くて薄いウルトラマンのお面。櫻井もその実、背後に広がる鎮守の杜の闇を見ているのかもしれない。

教授・水上 嘉久

  • 作品名
    Rollin’ Rollin’
  • 作家名
    櫻井 隆平
  • 作品情報
    技法・素材:FRP、ウレタン塗料
    寸法:H240×W240×D70cm
  • 学科・専攻・コース