いろはシャツ

武智 夏依

担当教員によるコメント

卒制が始まった。しばらくしてプラン発表があった。テキスタイルの教授陣を前に武智さんはやや緊張している様子で説明をしはじめた。プリントをしたいこと。あ、い、う、え、お、のひらがなの頭文字とプリント柄のモチーフや意味をあわせて考えたいこと。そしてプリント地を用いてシャツで表現したいこと。「それでは、ひらがな全部の数をつくろう」とある教授が言い出した。他の先生も、そして会場でプレゼンを終えてしまった学生諸君も(ほぼ無言なのだが)同意したと思えるように急に温度があがったような空気がながれた。その空気を生み出したのは実は武智さん自身だったと思う。最後はインスタレーションの準備も丁寧におこない、カラフルで気持ちがよさそうな作品に仕上がっていた。

教授・藤原 大