3.11+
田村 明香
担当教員によるコメント
震災の年に入学し、その出来事は多くの事を学ぶきっかけとなり、コンセプトに「東北の人々は内なる熱い想いと共に凛として生きていた。そんな人々に敬意をこめて制作した。この人たちの生きざまを忘れないように…」と記してある。作品は、被災地に寄付された古着が活用されず大量に余っていることに着目し、この古着を一度ワタ状に加工、手紡糸にして布を作り円形の椅子に仕上げてある。古着を新たな素材に蘇えらせ、手の温もりを感じる素材感と優しい色遣いのデザインで、根気よく丁寧な仕事となっている。椅子に人々が座り、楽しい和やかな会話が聞こえてくるような作品で、素材から発信した制作は現実を直視する広い視野を持ち合わせ、今回の震災で得た大切なことを語りかけている。
教授・橋本 京子
- 作品名3.11+
- 作家名田村 明香
- 作品情報技法・素材:椅子/リサイクル、二重織、綴れ 被災地で大量に余った物質(古着)、エジプト綿
寸法:H42×W180×D180cm - 学科・専攻・コース
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