言の葉

米田 紗織

作者によるコメント

卒業制作のテーマを考えた時、言葉の重なりや一つの言葉が持っている意味の重層性に着目して作品を作ろうと思い立ちました。口にする言葉は目には見えないものですが、「言の葉」というくらいですから、時に眩しい新緑のように、時に彩なす紅葉のように、互いに意味やイメージの重なり合いを持ちながら茂っているものだと私は考えています。文としての一方向の連なりでは表現しきれない言の葉の茂る言語の世界を、手作業で切り出した実際の葉脈の言葉を重ねることで制作しました。

担当教員によるコメント

「言の葉(ことのは)」としての「言葉」の持つ美しさを、葉脈をモチーフにして抽出してみせた作品です。人の思いは、いつ、どのようにして言葉という形を得るのかという、言語の発生現場を見きわめる文学的な問いに、デザインという造形的な手法によって形を与えることに成功した、審美的な魅力と哲学的な深みをたたえた作品といえます。

教授・西岡 文彦

  • 作品名
    言の葉
  • 作家名
    米田 紗織
  • 作品情報
    素材:葉、アクリル板
    サイズ:H700×W1700×D20mm(2枚)