万化鏡, 〜気持ちを映し出す鏡たち〜

外舘 実季

作者によるコメント

変わりゆくファッションと変わらずに受け継がれていく“自分らしくありたい”という気持ちを表現したアニメーション作品。演出としてキーアイテムになるのが“鏡”。変化するファッションと登場人物の表情を様々な鏡で映し出し展開していく。

担当教員によるコメント

時代と共に移り変わるファッションと化粧をテーマに、ロトスコープ技法を用いて制作されたアニメーション作品。しかし実写動画を単にトレースにしたわけではない。抜き出した画像を基に、綿密にリサーチされたその時代のファッションやカルチャー、当時の女性の気持ちまでをも、フリーハンドの線と水彩画のような色彩で表現している。膨大な作業量にもかかわらず、この作品は常に変化を繰り返してきた。描き出した画像から、作者自身の気持ちを投影し、更にイメージを増幅させていったように思える。その時代と女性の気持ちを映し出すこの鏡は、同時に常に自分と対話する重要なアイテムだったに違いない。作品も、制作プロセスも、まさに「万化鏡」と言っていいだろう。

非常勤講師・桑田賢二

  • 作品名
    万化鏡, 〜気持ちを映し出す鏡たち〜
  • 作家名
    外舘 実季
  • 作品情報
    アニメーション(3分)