2020日本の暦

作者によるコメント

世界が日本を注目する年でもある2020年のオリンピックイヤーに改めて日本の良い所を再認識していこうという想いから、日本のあらゆる事物でできた数字を制作し、一年を通じて日本を味わうことができる日めくりカレンダーを制作した。名称や解説を見やすくレイアウトし、月日が経つと同時に日本の知らなかった所に気がつくきっかけや教養を深める機会をつくれればと思い、制作に専念した。

担当教員によるコメント

日本をテーマに366のモティーフを数字的造形にビジュアライズした、表紙と奥付を加えて全390枚の日めくりカレンダー。この意欲的な企画を可能にしたのは牛嶋の多才さと情熱だ。月ごとにテーマ設定して12冊の構成にした編集者の視点。その編集的技量で資料を読み込み、各モティーフの解説をすべて80字以内にコンパクトにまとめ得た文章力。情報部分の繊細かつ明快な文字組みはタイポグラファーの精度。ビジュアルづくりはイラストレーターのセンス。そのすべてを調和させるグラフィックデザイナーとしての力量。発想（イメージ）を格調高く定着（デザイン）させるアートディレクターの資質。なにより、この密度と量を淡々と仕上げて余裕ありげなところに感心した。将来が楽しみである。

教授・木下 勝弘