日記 100人と366日

深谷 菜生

作者によるコメント

366日のそれぞれのページに、100人の人物を選んで、その日付に書いた過去の日記を再構成した日記帳です。過去の人たちの日記を見てみると、過去の人も私たちと同じ日付という感覚な中で同じように生きているということを垣間見ることができます。日記には書物的側面と、自分の日記を読み返す読物的側面があると思いますが、読物的側面にもスポットを当て、自分が書いてきた過去の日記だけではなく、明日、明後日に過去に書いた人の日記が書いてあり、同じ日付を生きた過去の人たちに思いを馳せながら、日記を記すことができます。

担当教員によるコメント

深谷菜生が最初に選んだテーマは三日坊主だった。人はなぜ三日坊主になるのか? そもそ三日坊主とは何なのか? その結果、三日坊主の代表とも言える「日記」にたどりつく。過去の偉人や作家など膨大な日記を調べ100人の日記を厳選した。その日記から366日の1日に最も相応しい内容の日記を抜粋する。1日の内容だけでなく前後の日のつながりや記念日など、1年を意識した編集を行う。編集とは情報を集めて編むことであるが当にそれを感じさせる内容である。しかもこの日記は実際に使用できるようにデザインされている。過去を生きた人を想いながら書く日記という新たな体験をデザインしたのだ。それは、一日一日を愛おしく大切に生きほしいという深谷の想いへと昇華した。

教授・宮崎 光弘