Controller of Controller

髙橋 拓也

作者によるコメント

現実世界とゲームの中の仮想世界の境が曖昧となっていく様子を描いたCGアニメーション。ゲームの主人公が拾ったアイテムによって引き起こされたバグがゲーム内の空間や現実空間の階層を越えて広がっていく。

担当教員によるコメント

この映像作品「CONTROLLER OF CONTROLLER」は、ゲームをプレイしている主人公が、コントロールしているのか?されているのか?次第に分からなくなる。プレイする主と従の関係を撹乱されるのが面白い。ゲームのオマージュの断片、ヘッドマウントディスプレイ、コイン、武器、スケボー達がバグ、グリッチ、ノイズ、バグによって痙攣を繰り返す。また、スローモーションのスケボージャンプシーンは圧巻。ポストインターネットデザインに見られる発光ディスプレイ前提のデザインや、David O'Reilly的低ポリゴン美学などアートディレクションの目配りも見事。映像表現が何周もターム、ジャンル、スタイルを繰り返す中で、既視感を乗り越えていこうとする作者ならではの巧みな戦略と表現力に魅かれる。今後の活躍を期待する。

教授・寺井 弘典