背/胎(Se/Tai)

中村 美香子

担当教員によるコメント

実に様々な事を思考し、努力してこられたように思います。並外れた技量と、ものを見据える描写力、そこには確かなものがあります。描き始めた頃の質とは異なり、自由自在に操る事が出来る逸材です。今回の作品、背/胎は大変、難度の高い作品で、彼女の内面に存在する様の一端がそこにあるように思われます。愛情の溢れる背の表情、胎の母体の表情、いずれも生命の起を感じ取るテーマであります。この形態をどう料理するか厄介な代物ではありますが、描くプロセスとその動機には拍手を送りたい気持ちです。レベルの高い作品であるが故に今一度描き切って欲しく、誰もが驚く程の存在感を持つ可能性が潜んでいるように思います。

教授・中野 嘉之

  • 作品名
    背/胎(Se/Tai)
  • 作家名
    中村 美香子
  • 作品情報
    技法・素材・作品種別:岩絵具、胡粉、墨、染料、和紙
    サイズ:H3000×W900mm(2点)
  • 学科・専攻・コース