ここに眠る

濱田 祐

担当教員によるコメント

「どうしようもないこの場所で、すこしでも楽しく過ごそう。」と、作者の言葉が添えてあった。ここに描かれているのは、彼自身の姿なのであろうか。眼鏡の男がだらしなく寝ている姿を大画面に大胆に描いている。いやそれは、よく観ていけば分かるだろうが、ここに描かれているのは「眼鏡の男のだらしない寝姿」では、もはや無い。「どうしようもないこの場所で、すこしでも楽しく過ごそう。」というウィットを効かせながら、その実は絵画構成を試みようとしている、大真面目に作者の姿が垣間見える。その機知に富んだ展開、知的な遊び心。描写と色彩構成、装飾性。そこから更に立ち現れる孤独感。寂寥感。なかなか一筋縄では無いのである。

教授・岡村 桂三郎

  • 作品名
    ここに眠る
  • 作家名
    濱田 祐
  • 作品情報
    技法・素材・作品種別:岩絵具、水干絵具、膠、キャンバス
    サイズ:H1830×W2753mm
  • 学科・専攻・コース