言葉なき人々
佐藤 正美
担当教員によるコメント
かつては、祖父母に自分を重ね合わせる作品が多かったが、この頃の対象は父母、それも母との確執が増えた。作者は母を愛しながら、それを伝えらず撮影することすらできない。そんな切なさがじっと波を見つめる。自転車を漕ぎながらカメラを廻し、急な川を上りながらカメラを廻し、自ら迷子になっていく、その独特の息づかいが素晴らしい。一見でたらめに見えるカメラワークは、自らの身体そのものから発するように、変哲のない風景や人物とひとつになっていく。しかし、母親は“撮れない”のだ。だからこの真似のできないカメラワークが身に付くのだというジレンマ。次を見たい一人だ。
教授・ほしのあきら
- 作品名言葉なき人々
- 作家名佐藤 正美
- 作品情報映像(33分)
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