スカイツリーロードのマンホールデザイン

吉井 唯

作者によるコメント

下水道マンホールは全国では1100万個以上、東京だけで48万個もあります。まさに身近に広がる小宇宙です。私はこの無数の星のようなマンホールに未来を感じました。星と星を線で繋ぐことで星座が生まれる様に、マンホールも繋いでいくことで新しい役割が生まれ可能性が広がるのではないかと考えました。今回は一例として墨田区を選び、水害と観光の両方の視点でのマンホールを提案しました。

担当教員によるコメント

下水道マンホールは全国で110万個。東京だけで48万個ある。この見過ごされてきた膨大な数のマンホールの蓋を情報発進の媒体として使用する可能性に取り組んだ作品。海抜ゼロメートル地帯のカラー表示は防災意識の向上を促す。道の進行方向に向かって別々のグラフィックを表示することができる立体的な突起があり、電車などのマークや行く先に何があるのかを予感させるアルファベット表示が提案されている。現代生活で浸透した情報テクノロジーとマンホールの役割分担を明確にし、あえてシンプルな表現に押さえることで「数あるマンホール」を利用する目的に応えている。メーカーへの取材や想定した街のリサーチを丁寧に行い、地に足のついた視点で実現可能なアイデアに落とし込まれている。

教授・大橋 由三子