瞬動

大井 真希

担当教員によるコメント

波打つ何か、抑えきれないほどの「作りたい」という衝動を、エネルギーの流れや動きに置き換えるドローイングを見つけた。平面上の線を、粘土を積み上げて作る壁体の縁の線に託し、それが曲面を生み、さらにその曲面の連なりを、複雑な構造で自立させられるようになった。曲面と線が織りなす複雑な空間は他の素材で作れないだろう。見る者の視線を抱合しまた解放するその快感。身体を圧倒するサイズでありながら、粘土の収縮による切れや崩壊もない。「日々積み上がっていく土は徐々に自分の意思を持ち始め、ある時から私の手の届かないところで呼吸を繰り返すようになった。見たい景色はもう、すぐ手の届くところまで来ている気がする。」頼もしい。感性が作動してこその技術である。

教授・尹 煕倉

  • 作品名
    瞬動
  • 作家名
    大井 真希
  • 作品情報
    技法・素材:陶
    サイズ:A=H990×W670×D620mm/B=H990×W850×D590mm
  • 学科・専攻・コース