くりかえし

村木 千容

担当教員によるコメント

広大な海景の一瞬を捉えた大作である。この絵の魅力は何と言っても深くて透明な青色にある。村木さんは四年間の研究成果を見事に結実させた。横長の画面に空・海・陸の三分法の構図を用い、パースペクティブを巧みに駆使したり造形性を追求、特に光の変化を凝視しておりその光は画面の隅々まで行き渡っている。ゆっくりと波打つ姿は繊細で静寂さも感じられる。右方の海中のやや濃い紫色は岩礁だろうか。左側の波や海原と呼応してバランスが良い。空の雲にも工夫があり生き生きとした動きを与えている。じっと見ているとこの大作は海の象徴の風景画に見えてくる。

教授・松下 宣廉

  • 作品名
    くりかえし
  • 作家名
    村木 千容
  • 作品情報
    技法・素材:油彩、キャンバス、パネル
    サイズ:H181.8×W227.3cm