爲石 梨笑子

担当教員によるコメント

爲石さんは今回初めて抽象画に挑戦した。「鏡」と題される大作では万華鏡を覗いたものか、〇と△と矩形で構成している。暖色系が画面を被い、作品への情熱や意欲を感じさせる。様々な幾何学図形は円舞しているようで楽しい、混色や重色で描いた色彩も澄んでいてカラーリストの側面も見せている。全体のバランスも良く色彩が響き合い調和している。水中のイメージがあるため水色を配したと言う。その水色が画面を引き締め爽やかである。図形の集合した中心からは新しい線や形が生れ、その秘められたリズムを発見したようだ。今回の形のない抽象画を描く事により、作者の内面の感情を素直に表現出来た優秀作と言える。

教授・松下 宣廉

  • 作品名
  • 作家名
    爲石 梨笑子
  • 作品情報
    技法・素材:岩絵具、雲肌麻紙
    サイズ:H181.8×W227.3cm