地獄めたもる

影山 紗和子

作者によるコメント

自作の長編絵巻物の最終形態「地獄めたもる」。言葉あそびのような歌にのせてキャラクター達が次々と変身や分岐を繰り返します。少女は巨人のお家や苺牛乳の海、、色々なところへ行きます。一見メルヘンで夢のような舞台ですが、理不尽な死や危険と隣合わせなサバイバル空間です。寝ても覚めても永遠に抜け出せない地獄の中を彷徨い続けます。

担当教員によるコメント

本作は、全長40メートルの絵巻物『地獄ちっく』のアニメ版である。『地獄ちっく』は「1_WALL」展のグラフィック部門のファイナリストに輝いた傑作イラストレーション絵巻である。少女の悪夢の如くシュールで残酷な世界の変容が横長の画面に切れ目なく描かれ、それ自体がアニメーション的だった。しかし影山紗和子は、そこからさらに鮮烈なアニメーション化に挑み、脳内で動いていたイメージを具現化した。イラスト版が絵巻物故に横スクロールを基本としつつも、アニメーション版では場面切替、縦横無尽のスクロール、残像効果、音楽など、アニメーションならではの進化を遂げている。極彩色のイラストレーションの持つ強烈な魅力がアニメーションによってさらなるインパクトを得た怪作である。

教授・野村 辰寿

作品動画