山崎 真悠子
F
技法・素材:水性木版 サイズ:H80×W55cm
担当教員によるコメント
人の記憶は、曖昧である。時間をさかのぼって過去の出来事を引き出していこうとする中で、情報は微妙なズレを生じて上書きされてしまう。そして、いつしか別物になってしまうほど、その正確さを欠いていくものである。山崎真悠子は、その記憶の手がかりである子供の頃からの写真をすべて破って捨てたという。それは、曖昧の中の緩やかな記憶から自分自身を浄化させるための行為だったのだろうか?作品「F」では、その消えかけた過去の記憶を今一度紡ぎ、木版という技法でピースを彫りおこして色を重ねることで、新たな光景を生み出している。そして、その光景は、曖昧な記憶の中にある1滴の真実にたどり着くためのスタート地点なのかもしれない。
教授・古谷 博子
担当教員によるコメント
人の記憶は、曖昧である。時間をさかのぼって過去の出来事を引き出していこうとする中で、情報は微妙なズレを生じて上書きされてしまう。そして、いつしか別物になってしまうほど、その正確さを欠いていくものである。山崎真悠子は、その記憶の手がかりである子供の頃からの写真をすべて破って捨てたという。それは、曖昧の中の緩やかな記憶から自分自身を浄化させるための行為だったのだろうか?作品「F」では、その消えかけた過去の記憶を今一度紡ぎ、木版という技法でピースを彫りおこして色を重ねることで、新たな光景を生み出している。そして、その光景は、曖昧な記憶の中にある1滴の真実にたどり着くためのスタート地点なのかもしれない。
教授・古谷 博子