color my days

村本 萌

担当教員によるコメント

グラスゴー美術学校にて半年間、プリントクラスを受講した村本萌さん。異文化に触れ、戸惑いの中で暗中模索していたのではないか。それは暮らしの中にある空気の差異のようなもの。スタジオの窓越しに彼女のドローイングを眺めて共感したのは、その空気のズレを見たのだと思う。彼女は、自身のコメントで「言葉では物足りなく、写真では伝わらない何か」を、儚い日常の記憶を捕らえて、自分のパレット(心象)で描いたと述べている。瞬間の記憶は曖昧で脆いが、創造力の源である。スタジオの壁は多感なドローイングで溢れていたが、多様な想いを一つの生地に閉じ込めるのは容易ではない。これらの分節された作品群は日常の一コマだが、関係し合う全体は彼女の豊穣な感性を映し出している。

教授・高橋 正