the rebuilt chair

森永 沙絵子

担当教員によるコメント

一般に優れたデザインの椅子とは造形美を考慮すると同時に人が座って快いかどうかということもバランスよく考えられていなければならない。その点においては森永沙絵子の椅子にはまだ課題が残るようだ。それはさておき彼女の卒業制作を語るときに特筆すべき点は、さまざまなところから集めた古着を素材に、本専攻に備わるリサイクル機(布を綿に戻す機械)、開繊機(繊維をほぐす機械)、プレス機(繊維や布を熱と圧力でプレスする機械)という大型の機械を自在に使いこなし椅子の材料となるカラフルな不織布を淡々と作り続けたことにあると思う。ラボのすみに陣取り繊維素材に埋もれながら来る日も来る日も制作に打ち込み、素材や機械と対話する中で頑なまでに思い描いたイメージを実現したのである。

教授・柏木 弘

  • 作品名
    the rebuilt chair
  • 作家名
    森永 沙絵子
  • 作品情報
    素材:廃棄される衣類や糸、熱融着ポリエステル
    技法:開繊、熱加工、レーザー加工
    サイズ:H250×W430×D250mm/H570×W460×D610mm/H310×W480×D730mm
  • 学科・専攻・コース