これからの兼業農家〜長野県県北地域における若年層の就農を案〜

溝口 ひかる

作者によるコメント

長野県県北地域における若年層の就農を伴った新たな兼業農家のライフスタイルとその空間の設計、またそれらが連なってできる新たなランドスケープ、そして拠点設計を中心とするむらづくりの提案。

担当教員によるコメント

長野市の市街地から車で30分の距離にある七二会(なにあい)。作者は、服装は市街地と一緒だけれど食事は郷土食というこの地の利点に気づき、ここに新たに若い就農者を呼び込むことの可能性に思い至った。彼らがこの地の人々や半屋外の生活に溶けこめるように、建築言語は都市的・むら的なものがコラージュされている。長靴(就農者)と革靴と運動靴(子供達)が気兼ねなく一緒に居られる様に、分棟建築群の足元はガラスで仕切られ、舗装や三和土などの仕上げが建物内外を川のように流れ、微妙な起伏とともに融合させている様が、秀逸である。また、新たな定住者により、パッチワーク状にランドスケープが再生されることを5年毎の時間軸で設定し、大きな視野でこの地を再生しようとしている。

非常勤講師・古暮 和歌子